「縁起でもない話を、いつから、どのようなタイミングで始めれば良いか判断が難しい」と、よく意見を頂戴します。確かに、人生会議には精神的に侵襲を与える内容もあり、十分な配慮が必要です。療養者さんが人生会議をする準備ができているのか、希望しているのかをしっかりと確認し、「地域の皆様へ」にもあるように、療養者さんの健康状態に合わせた内容を話し合っていくことで、その侵襲を最低限にすることは可能です。
「地域の皆様へ」の内容にあるように、療養者さんの健康状態や医療者との関係性、話す内容の侵襲度に注意しながら話し合いを行うことで、療養者さんへの精神的な侵襲を抑えることが可能となります。
より、深く学習したい方は、厚生労働省が推進していているE-FIELDなどの人生会議のファシリテーター研修を受けられることをお勧めします。
さて、人生会議の主役は療養者さんです。我々医療者ができることは、人生会議のきっかけを与えたり、人生会議をファシリテートすることです。これにより、療養者さんの「思い」を共有することが可能となり、「もしもの時」に家族と一緒に療養者さんの「思い」を推定して、少しでも療養者さんが望んだであろう医療・ケアを提供できるようになります。
療養者さんの健康状態が良いうちは、人生会議の補助ツール(エンディングノートや未来ノート)などを使用しながら、人生会議のきっかけを提供したり、人生会議のやり方についてのアドバイスをしたり、話し合った内容を記録し共有できるように努めます。
健康状態が悪化するに伴い、医療者は人生会議のメンバーに加わり、話し合いをファシリテートすることが重要になります。この段階になると、ご家族だけの人生会議では、十分な話し合いをすることは難しくなるので、本人と家族、医療・介護従事者で一緒に話し合い、話し合った内容を記録し共有できるように努めます。
これまでは、話し合った内容を共有するツールがないことが問題視されていたため、ACPシートという情報共有ツールを作成いたしました。
人生会議の内容をACPシートに記録し、「健康手帳」や「在宅療養手帳」、「びわ湖あさがおネット」などのICTで共有し、療養者さんが望んだであろう医療・ケアを提供できるようにしましょう。
健康手帳の中身やACPシートは、以下よりダウンロードして使用いただけます。
ACPシート_11.xlsx
ACPシートのエクセルファイルです。びわ湖あさがおネットで共有する時に使ってください
ACPシート_会話例.pdf
会話例を参考に人生会議を進めてみてください。
健康手帳の運用に関して
健康手帳の印刷用に使用してください。
びわこ心不全スコア.pdf
心不全の連携をスムーズにするためのスコアです。連携の共通言語になることを期待しています。
びわこ心不全スコア_滋賀県立総合病院連絡先.pdf
運用の参考にしてください。
経過表_心不全手帳版2.pdf
心不全患者さん用に改良した、健康手帳・在宅療養手帳の生活経過表です。
心不全患者さんでは、こちらに差し替えて使ってみてください。
滋賀県版_心不全手帳(教材)
セルフケアの向上、心不全の療養指導にお役立てください
滋賀県版_心不全手帳(経過表, 印刷用)
印刷して、健康手帳、在宅療養手帳にはさんで使用ください
びわ湖あさがおネットにて、ACPに関する情報を共有することもできます。詳細は、びわ湖あさがおネットを用いたACPシートの運用を、ご参照ください。
ACPシート_11.xlsx
をダウンロードして使用します。
びわ湖あさがおネットを用いたACPシートの運用.docx
こちらを参考に、ACPシートをびわ湖あさがおネットに登録してみましょう。
1. 介護支援専門員/介護職 対象;ACPリレー研修会_2020 の動画へ
2. 訪問看護師 対象;ACPリレー研修会_2020 の動画へ
1. 介護支援専門員介護職 対象;ACPリレー研修会_2021 基礎編 の動画へ
2. 介護支援専門員介護職 対象;ACPリレー研修会_2021 実践編 の動画へ